1,蝶になる
2,美しい夜に僕は土を掘る
3,想像と現状
4,幻想的世界
5,惰眠
6,運のつき
7,生きてることが辛いなら(森山直太朗カバー)
8,最低
9,遺書
10,落下
11,その手は無関心に僕は救う
12,輪になって
13,舞い上がる
14,ショーケース

「惰眠」

いつの間にか眠っていた 西日が差し込む六畳で
惰眠を貪りわかったのは 私が消えても同じだってこと
普通にそれなりやってきた 小さい幸せあったりしてさ
"やれば出来る"だなんて それは嘘だって気付いたの
それでも世界は私を生かすんだ

とまってしまった腕時計 あなたが残した腕時計
誰にも言えないことなんて 誰にでもあるよ当然さ
そういう話は置いておこう 私は笑って別れたいの
"解り合える"だなんてそれもエゴだって気付いたの
それでも世界は私を生かす
だから
だけど

得体の知れない劣等感で連帯感欠如してた
得体の知れない閉塞感で倦怠感一生ものさ

いつの間にか夜だった 私の未来も暗闇です
気怠い躯が心地良い
このままでいい
このままでいい


「運のつき」

運のつきだろう 今すぐ飛べよ 目の前を走る線路へ
自暴自棄になれるくらいの 僕ならまだよかったけれど
口をつぐんで頭(こうべ)を垂れた 列車は走り抜けていく
サイレンが途切れ 車輪は遠く 僕を置き去りにしていく

真夏の部屋で人知れず死んだ あの人の放つ臭いが
鼻腔を突き刺し それが僕の季節の記憶になったの
何でもかんでも教育のせいか環境のせいか社会のせいか
アイツのせいか
血が通ってる感覚が憎しみに変わる時

痛いくらいわかっている 言い訳押し殺して
世間と僕は平行線で 心と僕は折り合いがつかないままさ
どこで間違ったの 踏み外したの もう戻れない戻れない
這いつくばったままさ それはまさに惰性だ

会いたくなって でも会えなくなって 心のやり場をなくした
冬の寒空に蝶が舞っている 花なら枯れてしまったの
僕も同じだろう 逃げ惑うように 生活をやり過ごしてる
それでも日々にすがりつく僕は また夏の匂いを思い出す

posted by yuta sato

2011. 10. 02 Sun 12:08

本当は何も残せない

名古屋、大阪、京都、浜松と四連日のライヴを終了し、無事帰宅してまいりました。
東京から足を運んでくれた方、現地で待ってくれていた方、新しく出会えた方、ありがとうございました。

ステージに立つ喜び、そして苦しみ、それは入り交じっているのではなく、短い間隔で交互に僕を襲うのです。
頭の中で、会話をしているのです。
全く同じ人格の二人の人間が、別の感情を持って僕の頭蓋の中で会話をしているのです。
それは、僕が眠りに陥っている時以外は、ずっとそうなのです。
騒がしいという程ではなく、お互いに理論立て懇々と静穏な口調で話しているです。

僕はライヴの終わりに”ここに僕の全てを残していきます”と言います。
でも、これは違ったのかもしれない。
本当は何も残せないのかもしれない。
それでも、自分の全てを吐き出す。
喉の奥に指を突っ込み、空っぽになるまで。

逃れる為、けれど、這いつくばっていく為、そうやって生活を重ねていく。

悲観的じゃない、僕は僕が選んだ言葉で、ステージで全身全霊の嘔吐を繰り返すのです。
posted by yuta sato

2011. 09. 24 Sat 14:14

9月22日を終えて

9月22日に下北沢GARAGEにご来場頂いた方、その場におらずとも想いを馳せてくれた方、そして共演してくれた、カネココウタ君、the crickets、限りなく透明な果実、いつもお世話になっている下北沢GARAGEのスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

無言の一週間は、発する事の出来ない言葉が、感情とともにこの場所へ吐露されていました。

皆のそれぞれの気持ちの何もかもが心強く、けれど、それが当たり前のようになりかけた自分が本当に怖かった。
正直、ステージを降りた後、安堵の気持ちはありませんでした。
このステージに全てを残したという脱力感の直後、もう次のステージが見えたのです。
ステージの上で僕は
「もうずっとここにいたい。これが終わったら、もう声が出なくなる気する。それくらいの気持ちではなくて、本当にそう思っている。だからここに全てを残していく」
と言いました。
これが僕の本当の気持ちでした。
ステージから降りるのが怖かった。ここでずっと歌っていられたらいいんじゃないのか。
そして、このステージを降りてしまうなら、いっそ、もう歌えなくなってしまう方が楽なのではないだろうか。
その感情が吐露されたのだと思います。
プロとして、羞恥以外の何物でもないです。

僕は鬱々とし、鉛のような感覚を胸奥に包み抱えながら、皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。
隠喩的になってしまい申し訳ありません。
やっぱり僕は、こんなふうに堕在してしまう。
僕は出来る限りの正直な言葉を紡ぎ、どうにか感謝の言葉を書き留めたいと思いました。
皆さん、本当に本当に本当に、全身全霊でありがとうございました。

「ありがとう」だけではどうにもしっくりこないと思っていた。
そうだ、この言葉が足りなかった。
色々な方々に、ご迷惑、ご心配おかけしてしまい本当に「すみません、申し訳ありませんでした」
最後の「遺書」を歌い終え、手を合わせ、深々と頭を下げていた時、僕は「ありがとう、そして、申し訳ありませんでした」この気持ちで溢れていました。
「ありがとう、そして、申し訳ありませんでした」


最後に、第一部の弾き語りで歌った「生活(9.22ver)」と「浅はかだ」の歌詞を載せ、僕を集約する言葉とさせていただこうと思います。

「生活 (9.22 ver.)」

想像よりも堪え難いな
こうやって日々を重ねるのは
充実感もすぐ束の間
明日がくればまたふりだし

相づちを繰り返し 置き去りの僕の気持ち
そんなふうに曖昧な 生活が錆びついていく

想像よりも寂しいんだな
こうやって日々を重ねるのは
安心感もそう長くは 続きもせずにまた独りだ

変わりたいと思うけど 変われないのも仕方ないか
そんなふうに諦めて 生活が錆び付いていく

想像よりも長いものか
本当に声は戻るのか
幸福感もいつの間にか
慣れてしまえばただそれまで

本当に下らない有様で歌っている
そんなふうに錆び付いた生活を愛していく


「浅はかだ」

一体どんな悲しみで
ようやく涙は枯れるの?
感傷などにひたるには
あまりに僕は浅はかだ

数えきれない言い訳なら
いくらだって思いついて
触れられない君を引き止める
言葉はまだ浮かばない

感動的な小説には
あり得ない悲惨な結末
ほんの少しの期待をする
僕などやっぱり浅はかだ

数え切れない理屈重ね
僕は僕を言い聞かせた
離れていく君を引き止める
言葉が何一つない

数えきれない空白だけ
この胸には残っている
そのどれもが僕を引き止める
十分過ぎる理由さ
posted by yuta sato

2011. 09. 21 Wed 22:16

窓外から聴こえるのは

薄暗い部屋で独り、窓外の雨風の音を聴いていた。

窓に打ちつける雨、木々をなぎ倒しそうなまでに吹き荒れる風。

僕はギターを手に取り、イメージを繰り返す。
何度も何度も、イメージをする。
頭蓋の中で、聴こえない声を、イメージする。
今まで幾度となく聴いてきた声を、イメージする。

そして僕は、大きく深呼吸をする。

気付けば、雨は上がり、風は穏やかに撫でていた。
平穏を取り戻した鈴虫達が、優しく僕の鼓膜を響かせている。

信じるしかない。

そう言われている気がした。

明日、僕は待ち合わせ場所に立つ。
あとは、僕の中に戻ってきてくれるの信じて待つしかない。

這いつくばって泥にまみれても、皆に僕の全ての有様を晒します。
明日、約束のない待ち合わせ場所で会いましょう。
posted by yuta sato

2011. 09. 20 Tue 23:06

最終診察

午前から掛かり付けの耳鼻咽喉科へ。
22日へ向けての最終診察。

「どうですか?」と先生。
僕は口元で手を左右に振り、一言も発していないことをジェスチャーで伝える。
先生は、ふんふんと頷く。
「はい、口を開けて、舌をだしてください」
僕は指示に従い、口を開き舌を出す。
先生は僕の舌をつまみ、小さな円形の鏡で喉を確認する。
「アー、と声を出して下さい」
「…アー…」
僕は思考を停止させた。その発した声がどんな声がなのか。それに気を留めることだけはしたくなかった。
「はいはいはい」
先生は頷きながら、ファイバースコープを取り出し、声帯の状態を確認する。
ファイバースコープが取り出されると、僕は深く深く呼吸をした。
「今さら私が言うのも何ですが、やはり声を出さないのが一番ですね。大分良くなりました。あともう一息です」
じわりとした生暖かい感覚が、僕の胸の中に染み渡る。
「しかし、声を出さないというのは辛いでしょう」
僕は無言で深く頷く。
「今日、明日、安静にして下さい。あともう一押しの薬を処方しておきます」

小さな小さな安堵を噛み締め、病院をあとにする。
小雨のなか傘をさし、朦朧とした家路で思考を巡らせる。
あと一日か、いや、今日を含め、一日半か。
どこまで戻ってくれるだろうか。
そして、全く声を出していない空白の時間を経て、感覚を取り戻せるのか。

水溜まりを踏みしめ、生み出される波紋が、22日へ向かう一歩一歩の証のように感じていた。
手繰り寄せるのではない、待つしかないのだ。
今は、俯き加減でいい、時折ゆっくりと深呼吸をする。
22日というステージと、そして、僕の声が、やってくるのをただ、待っていればいい。
posted by yuta sato